艶の印象学

ルベルより2018年2月に発売されたSEE/SAWは、“心を奪う、髪になる”をコンセプトに開発されたヘアケアシリーズで、過去(SAW)~現在(SEE)を肯定しながら、“今よりもっときれいになりたい”と願い、しなやかに生きる女性たちに、より未来を楽しんで欲しいという想いが込められています。SEE/SAWを開発する上で、「光を味方にする」という特許出願技術と「印象から美しく」という感性価値研究により、ダメージ補修のその先にある印象的な艶髪へ導くことを追求しました。

未来に向かって新しい価値を提供する革新的な製品、「タカラらしい」製品をつくるための研究を紹介する本コーナー。今号では、「印象から美しく」を実現するべく行った心理学的アプローチによる研究についてご紹介します。本研究は大阪大学人間科学研究科との産学共同研究であり、艶のある髪を見たときに受ける印象効果を世界で初めて分析した研究として、毛髪科学技術者協会主催の研究発表会で報告し、さらに日本化粧品技術者会誌に論文が掲載されました。

髪の艶はヘアケアにおいて欠かせないものです。髪の艶を高めるために多くの研究がなされてきましたが、髪の艶がもたらす心理的影響については明確ではありませんでした。そこで本研究では、艶のある髪を見た時に受ける印象の傾向を心理学的手法により分析しました。その結果、艶が高くなる程「きれい」や「清潔感がある」といった印象を表す評定語14語で評価が高くなり、かつ「つるつる」や「なめらか」といった質感を表す評定語9語でも評価が高くなる、また、艶が高まる程「好き」の評価が高まることを突き止めました。ヘアケアにおいて艶を与えることは、人の心理において「美しい印象と好感」をもたらすことを解明しました。

発表名
第9回毛髪科学技術者協会(MGK)研究発表会
「髪の艶から受ける印象の心理学的要因分析」

日本化粧品技術者会誌
第52巻第2号 2018年
「毛髪のツヤおよび明るさと印象の関連性」

研究者(敬称略)
青池広樹、渕上幾太郎、上條洋士、細川博史(以上TB)、松下戦具(大阪樟蔭女子大学)、森川和則(大阪大学)

実験に用いた艶別画像
実験時の評価画面のイメージ

研究に用いた評定語一覧

艶および明るさと「好き」の関係

艶が高まるほど、「好き」という感情が高まり、高い艶で中明度の際に、より「好き」と感じる傾向がある

研究者紹介

大阪大学 人間科学研究科 森川和則教授

東京大学文学部心理学科卒業後、米国スタンフォード大学にて心理学博士号を取得された、知覚心理学・認知心理学研究の第一人者です。人間の心と脳による情報処理を実験で分析し、その仕組みと一般法則を解明・実証することを目指されています。近年は「顔の認知のしくみと化粧・服装による錯視」などを研究され、本研究では実験手法の構築や結果の解析に多大なるご助力を賜りました。

化粧品研究開発部 基礎研究センター 青池広樹さん

SEE/SAWの開発に伴い、今までに無い新しい視点から研究開発に取り組むことが出来ました。今回は「艶」に注目して研究しましたが、「色」や「スタイル」など、ヘアケアと心理はまだまだ深く関連している部分が多いと思います。この研究を足掛かりとして、より消費者心理に寄り添った研究開発に取り組みたいです。