iPS細胞の化粧品研究への応用

今号では、さらにもうひとつの研究を紹介します。それはiPS細胞(人工多能性幹細胞)を化粧品開発に応用する研究です。

iPS細胞から皮膚や毛髪関連の細胞を作りだし、細胞レベルで化粧品成分の効果検証を行うことができれば、有効成分の探索を迅速にできるだけでなく、効果メカニズム解明につながるデータも取得できます。それらのデータをお客様にお伝えし、商品の価値を高められるように!を目指して活動しています。

まず、最初の取り組みとして、iPS細胞を表皮角化細胞に分化誘導する方法を確立し、老化などに関係するDNAの損傷応答の違いを調べました。本研究は、東京工業大学と共同で行っており、その成果を幹細胞シンポジウムで学会発表しました。

発表名
第16回幹細胞シンポジウム 「ヒトiPS細胞から表皮角化細胞への分化,及びそれらのDNA損傷応答解析」

研究者(敬称略)
三宅智子(TB)、島田幹男、松本義久、沖野晃俊(東京工業大学)

iPS細胞を皮膚細胞(表皮角化細胞)に分化誘導

研究者紹介

化粧品研究開発部 基礎研究センター 三宅智子さん

仕事では、iPS細胞・表皮角化細胞を育て、家に帰ると2人の子供を育ててます。今回の研究では、iPS細胞をフィーダーフリー法で培養しました。増殖を抑制した別の細胞をフィーダー(足場)にして、その上にiPS細胞を培養する方法は難しいですが、フィーダーフリー法だと少しハードルが下がります。iPS細胞の最初の研究成果を、幹細胞シンポジウムというハイレベルな学会で発表させていただき、とても刺激的でした。

東京工業大学 先導原子力研究所 松本研究室 
助教 島田幹男さん(共同研究者)

現在、東工大・松本研にて「ゲノム安定性維持機構と遺伝病の関係」を研究されています。公私共に、幅広い知見、経験,コネクションがあり、学会発表、論文執筆、研究費申請、研究教育活動、ラボの雑務をすごいスピードでこなされるスーパー助教です。