カウンセリングができるデンタルユニットRapport ラポール

タカラベルモントは、創業以来様々な製品を開発し、様々な出来事を体験して成長してきました。このコーナーでは、その中の一つの出来事を取り上げて紹介いたします。

今回紹介するのは、デンタルユニット「Rapportラポール」。歯科医院で、ドクターと患者さんとの間に会話をもたらし、患者さんの意識を高めることにつながった画期的な製品といえます。

1997年に発売されたRAPPORT

カウンセリングと治療ができるユニットを

この製品の開発がスタートしたのは1995年。当時は医療訴訟が多くなってきていた時期で、デンタル分野においてもインフォームドコンセントの重要性が唱えられ始めていました。当社が発売したカウンセリング用テーブル「CCLT」の考え方は市場から高く評価されていましたが、カウンセリングにより、患者が増えると治療ユニットが足りなくなるとの声が聞かれるようになったため、カウンセリングと治療を同じ場所で出来るユニットを作ろうとしたのが始まりだといわれています。

椅子とテーブルの最適な距離が肝要

椅子を回転させることでカウンセリングのポジションと診療のポジションを取るというアイデアは開発当初からあり、まず回転させるにあたっての最適な角度や椅子とテーブルの距離を求めることにしました。ここでは、方眼紙模様の床にテーブルと椅子を置き、ミリ単位で動かして計測していきました。

検証の途中で治療を行うポジションに制限が出てしまうことが判明し、解決に苦慮しました。苦肉の策としてマニュアルスイッチでさらに椅子を20度回転させる機能を急遽取り付けたり、顎関節の触診や咬合調整用に患者の正面に立つポジションを盛り込む事にするなど、位置決めの検証だけで結局数ヶ月を要することになりました。

さらに、この複雑なポジションを誰もがわかりやすく操作できるようにするために、スイッチパネルの設計には時間を要しました。海外での販売も考慮し、日本語文字は一切使用せず、ピクトグラムで全ての操作を表現しました。

検証時の写真

うがいボウルの配置に苦慮

カウンセリング時には不要で、治療には不可欠なうがい用のボウルの配置に苦慮しました。通常はカウンセリングテーブルの下に隠し、治療時に最適な位置に移動する、という考えは開発当初からありましたが、チェアの回転と同様、位置関係の割り出しに時間を要し、更に、機構面では回転式で進めていましたが、患者さんの足元と干渉することがわかり、前後にレール式で出入りする方法に変更するなど様々な工夫が加えられていきました。

他社も同様の製品を開発するほどのヒットに

テーブルとイスの位置関係にこだわったので、取りつけの際の配管の位置の指示が複雑になってしまうため、ユニット、チェアの位置を決めるテンプレートを準備しました。また今はなくなりましたが天井埋め込み式のライトとの位置関係や、取り付けなどで営業担当者や工事関係者は大変苦労されたといわれています。

しかし、椅子を回転させることで、カウンセリングと治療を同じ場所で行えるというこの製品の考えは市場から高い評価を受け、他社も同様の製品を開発することになります。このようにコミュニケーションユニットという一つのカテゴリの創出につながった点、また市場でのタカラベルモントのイメージを高めた画期的な製品といえるでしょう。

※「Rapport」の考え方は現在、ドクターと患者さんだけでなく家族の型も交えたコミュニケーションの重要性を鑑みた製品「Rapport-i」へと引き継がれています。