リング状ヒーターローラーボール

タカラベルモントは、創業以来様々な製品を開発し、様々な出来事を体験して成長してきました。

このコーナーでは、その中の一つの出来事を取り上げて紹介いたします。 今回紹介するのは1989年発売の「ローラーボール」。リング状ヒーターにより均一に加温することができること、またその斬新なデザインから世界各国で使用されています。今回、その開発に携わったOBの角矢氏に、リング状ヒーターが選ばれた経緯などについて話を聞きました。

1989年に発売されたローラーボール
同年のグッドデザイン賞を受賞

新しい促進器はヒーターが要

1987年の初め、故 松井開発部長から、遠赤外線促進機「ジュピター」の次の促進器の開発を依頼されました。

ジュピターはいち早く液晶パネルを操作表示部に採用し、ヒーターは遠赤外線を採用した画期的な商品でありましたが、当時の液晶パネルは数年経てば表示力が低下して見にくくなるという問題がありました。そこで、液晶パネルは元に戻してLEDとピクトグラム(当時、絵表示は少なかった)で対応することが考えられ、その点では問題はありませんでした。課題はヒーターをどうするかでした。松井部長からは「何か動くものを考えなさい」といわれていました。

加温式の促進器はパーマの施術時間を短縮するのに有効なもの。とはいえ、温めることができるのはもちろん、温度調節ができ、さらにいかに頭髪部を均一に加温できるかということが重要になります。しかも目新しく斬新でスマートなものにしなければなりません。

当時の他社製品では複数のランプがリングに取付けられ、回転するものがありました。確かに動くことで均一の照射はできますが、照射部が大きく、またコードが外に出ているためお世辞にも美しいとはいえないものでした。

ショールームの展示品がヒントに

とにかくヒーターはいろいろと探しました。その中で面状ヒーターに魅力を感じましたが、熱効率が悪いという難点があり採用はできませんでした。そんな時、守口工場から提示されたヒーターの中にコタツ用のものがありました。これはジュピターに使われる石英管をリング状に加工したものです。「これしかないかなあ」と、思い始めていたそんなある日のことでした。

通勤の途中で通りかかった街角のショールームをみると、回転台にリングが斜めに取り付けてありました。「止まりかけのコマみたいだな」と思いながら眺めていて、ピンときました。「中央に地球じゃなく人の頭があれば・・・」。コードを外に出すこともない、ランプのイメージからも振り払える、どんどんイメージが湧いてきました。ジュピター(木星)の次の商品だからサターン(土星)だ。リングもある。こうしてローラーボールのケーシングデザインが始まりました。

歳差運動により均等に加温することが可能に

初代ローラーボールのボディが右によっているのは、お客様の後頭部が見えることで、位置確認を容易にするためです。私はケーシングと表示パネルのデザインをしただけで、実際の商品化にあたっては、守口工場をはじめとする関係者のご協力とご苦労があってのことです。

なお、名前はサターンが候補にあがっていましたが、サタン(悪魔)という意味に誤解されるという意見もあり、最終的にローラーボールに決まったとのことです。

※現在販売されているのは、さらにデザインも機能も進化した「ROLLER BALL F」です。