株式会社ムラカミ 代表取締役 村上昇会長 ディーラーとして山陽地方で業界を牽引

美容室と材料商の兼業だった創業当初

「もともと私の父は、尾道で造船所に勤めていて、母が美容師をやっていました。そして、戦後、結婚して２人で広島に移り住んで、美容室を開設したんです」現在は山陽地方を主な商圏に、美容ディーラーとして広く事業を展開する株式会社ムラカミの２代目、村上会長は創業のルーツを語った。初めは美容室のみの経営だったが、間もなく美容材料全般を扱う材料商も営むようになる。「先代である私の父は、創業者としての苦労が多かったと思います。母が主に美容室を、父が材料商を経営していました。当時は美容室のほうが好調だったようで、美容室には従業員が１０人ほどいたのですが、材料商の事業はあまり調子がよくなかったそうです」しかし、先代の尽力によって材料商の事業が軌道に乗るようになり、その後、昭和２８年に広島県中区三川町の地で、材料商として事業を一本化することとなった。

商工センター移転でのタカラとの縁

支店を展開するなど、材料商として順調に事業を拡大していくなかでは、タカラベルモントとの協働もあった。広島西部開発事業計画で、広島市が商工センターの造成を進めていた折に、広島市から先代に声がかかった。「タカラの２代目、秀一社長と交流のあった父は、当時、中広に営業所のあったタカラさんから『広い場所を必要としている』と聞いていたそうです。そこで広島市から商工センターの話を受けた父が、秀一社長にお話しして、その結果、タカラさんとともに新しくできる商工センターに移転することになったと聞いています」そして昭和５３年に移転して以来、現在もムラカミは、商工センターでタカラベルモントの営業所とともに、その地を拠点として商いを続けている。

止まることなく日々改革あるのみ

「スポーツタイプの自転車を２台所有していて、友人と一緒に四国の今治まで走ったこともあるんですよ」自転車とゴルフが趣味で、休日を活動的に過ごす村上会長は、昭和２５年の生まれで、現在６７歳になる。先代の築いた基盤を大切に受け継ぎ、更なる事業の発展に邁進している。「私は、父が支店を増やすのに苦労する姿を見てきました。そのおかげもあり、私はある程度の支店数がすでにある状態で、父の事業を引き継ぎました。そして、私も鳥取支店や徳山支店の開設に尽力して現在に至ります」多くの会社には社是や社訓というものがあるが、ムラカミには存在しない。「実は、これまでにそういった類のものは作ったことがないんです。なぜなら、時代やその時々の状況に合わせて柔軟に対処することに全力を注いできたからと言うべきでしょうか。つねに改革し続けてきた証かもしれませんね」長年の付き合いで、関係が深いタカラベルモントへの期待も大きい。「タカラさんはどんどん若い優秀な人が出ていて羨ましい。相談に乗ってくれる方もいるので、これからもタカラさんを頼りにしています」