プレママ・産後ママへの“やさしさ”と“想い”をバスルームに込めて~ プレママ社員と研究員という異色のタッグが生んだ化粧品とは? ~
タカラベルモント株式会社 広報室・石川由紀子です。
本日、プレママ・産後ママと言われる妊産婦さんの入浴ストレスに寄り添う新ブランド産婦人科向けヘアケア・ボディケアの新ブランド「m.i」が発売となりました。「m.i」というブランドを手掛けたのは、当社の産婦人科や眼科他、医療機器の製造販売を手掛けるメディカル事業部です。医療機器の部署がなぜ妊産婦さん向けのヘアケア・ボディケア製品を手掛けたのか?そこには、妊産婦さんへのスキンケア・ヘアケアの課題を徹底的に検証し、耳を傾け、産婦人科の現場を知り尽くしたプレママ社員の“想い”と、その“想い”に応え、日々変わりゆく妊産婦さんの肌や髪を考え抜いた研究員の“やさしさ”がありました。
今回、 “出産”を控えたプレママ社員と、“出産”のママを支えた研究員との異色のタッグから生まれた化粧品誕生のストーリーを取材しました。
■ プレママ・産後ママの入浴ストレスに寄り添う新ブランド
産婦人科向けヘアケア・ボディケア「m.i」、4月1日発売
https://www.takarabelmont.co.jp/info20210401_01/
■ 「m.i」 ブランドサイト
https://mi-takara.jp/
第1章 大好きだったお風呂に抵抗感が・・・。それってワタシだけ?
「自分自身の妊娠をきっかけに、妊産婦さんの声にならない小さな悩みに寄り添う商品が少ないことに気づきました。何もかもが初めてで不安がつきまとうなか、女性ホルモンのバランスの変化、生活の変化から様々なトラブルに悩まされ、私自身が匂いに敏感になり、大好きだったお風呂にも抵抗感を抱きました。それが製品を作ろうと思ったきっかけです。」
メディカル事業部の山本理奈さんは、入社後、営業先のひとつでもある唯一女性のための診療科目・産婦人科に着目し、自分が目指していた女性に寄り添った製品・サービスを提供でいないか?と市場調査を始めます。
「産婦人科に仕事で携わる前は、“妊娠出産=赤ちゃん”というイメージが強く、“ママ”のお悩みに目を向けることはありませんでした。プレママ、産後のママ、そのママたちを常に見守る医院スタッフさんのお話を伺ううちに、これまで知ることのなかったママたちの悩みを目の当たりにしたのです。」
例えば、ヘアケア商品。洗髪は毎日のコトなのに、妊産婦さんが日々感じる頭皮や髪の変化に合った商品が少ないこと。デリケートな頭皮の妊産婦さんでもできる刺激が少ないヘアカラー剤がないということ。妊産婦さんだって、妊娠中でもおしゃれを楽しみたいのに様々な制限があることを知ったと言います。
山本さんは、身重な上に多くの悩みを抱えながら、赤ちゃんが一番大事だと頑張るママたちの姿を見て、“ママたちが赤ちゃんのために頑張るなら、タカラベルモントはそんなママたちを支える企業でありたい”と動き始めます。
「そんな時、自分の妊娠がわかりました。本当に嬉しかったです。でも、妊娠7週頃からでしょうか。ある日、帰宅して湯船に浸かっていると突然の吐き気に襲われ、そのままトイレに直行・・・。気持ち悪さが治まらず1時間近く動けなくなったこともありました。その日から湯船に浸かることが怖くなり、お風呂に入ること自体に抵抗を感じるように。大げさかもしれませんが、私にとって大好きなことを突然奪われた感覚でした。」
妊娠は嬉しい、だけど日々変化していく自分の体への不安。
山本さんは、自分の身に起こるつらい経験と妊産婦さんの“少しでも悩みを解決したい”という想いから、妊産婦さんだからこそ抱えるお悩み、それに対する医院スタッフさんの声を集め始めます。現場の生の声を聞くたびに、化粧品事業も行っているタカラベルモントだからできるサポートがあり、それを実現させることこそが、長年産婦人科医院を出入りするメディカル事業部の使命であると感じたそうです。
第2章 つわりで苦しむ妻。
研究員として何ができるのか?を模索する日々。
今回、製品開発を担当した吉田直史研究員。
実は、「m.i」プロジェクトが立ち上がった頃に奥様が第2子をご懐妊。しかも、産前産後の時期は開発真っ最中、という状況でした。奥様は、育児をしながらの妊娠で、第1子の出産時とは違う大変さを吉田研究員は目の当たりにしていたそうです。
パパとして、研究員として “妊産婦さんに何ができるのか?”を考え続けた日々について語ってくれました。
「私は、タカラベルモントに研究開発職で入社後、長年ヘアケアやカラー剤など理容室・美容室の皆様がサロンワークで使用する製品の開発をしてきました。医療の現場で使われる製品開発の経験も実績もありません。だから、新しいチャレンジができるという研究員魂としてのワクワク感。同時に、医療従事者というプロフェッショナル向けの製品を作るというドキドキ感が沸いていました。このドキドキ感は今でも続いています。」
吉田研究員の言葉は、穏やかな口調の中にも新しいモノを生み出す喜びも感じられます。
しかし、妊産婦さんにドクターが勧めても問題がなく、満足して使っていただける製品を生み出すというハードルの高さにも悩んでいました。
「最初は、産前産後のデリケートな時期でも使える“安心”と、気持ちの良い使い心地である“使いやすさ”を両立した製品を作りたいと考えていました。でも、“安心”と“使いやすさ”の両立は難しい。例えばボディソープやシャンプーの泡立ち。泡立ちを良くしようとすると、泡立ちに関わる界面活性剤の量を増やす方法がありますが、刺激のリスクを高めることにもつながりかねない。いかに刺激を抑えながら泡立ちを高めることができるか?これは苦難の連続でした。ちょうど同じ時期に、妻が第2子妊娠。妻は、お腹にも気をつけながら、育児もしなければならない。その姿は、本当に大変そうで・・・。つわりがひどい時期は、満足に食事も摂れず、食べられるモノも限られます。仕事帰りには彼女の好きなものを夕食に買って帰ると、食材のニオイで気持ち悪くなって寝込んでしまうこともありました。そんな時に妊産婦向けのヘアケア・ボディケアの開発を担当してみないか?と上司が声を掛けてくれたのです。」
つわりで苦しむ妻に夫として満足のいくサポートをしてあげられない。
けれども、研究者としてなら妻と同じように苦しんでいる多くの妊産婦さんのサポートができるのではないか?吉田研究員の背中を押してくれた上司のサポートも受けながら開発が始まりました。
第3章 ママたちの笑顔と幸せな瞬間が生まれる処方を目指して。
「妊娠中の方の製品というのは“香りも重要なんだ”とういことを、目の前にいる妻から教えてもらいました。」
命を宿した女性たちの体は、体調の変化と共に味覚や嗅覚も変わります。つわりで辛い時でもリフレッシュできるような香り。そして、女性ホルモンの乱れにより肌荒れが起きやすい時期だから、不要な汚れだけを取り除き、洗った後でもつっぱらない、程よい潤い感を与えられるような処方。
吉田研究員の処方の方向性は、つわりで苦しむ奥様を目の当たりにして辿り着いた一つの解でした。
「時には、開発途中の試作品を妻に使ってもらうこともありました。“香りがイヤ”“潤いが足りない”など、一番身近で手厳しい妻というお客様からはクレームばかり(笑)。失敗作がほとんどでしたが、体調が辛い時にも試してくれて・・・感謝しかありません。紆余曲折ありましたが、最終的には“安心と使いやすさの両立に加え、女性の一生に寄り添った製品を作ろう”との考えに至りました。それは、辛さを少しでも解放し、癒しのお手伝いができればという想い。お風呂という一日で一番癒される時間に、少しでも贅沢を味わいたいというママたちの気持ちを、私は“わがまま”という言葉でひとくくりにすることはできませんでした。」
吉田研究員の開発は、妊産婦さんへの思いやりがあちこちに散りばめられています。
「私たちは、サロン専売品を提供しているメーカーです。だからモノづくりでは上質感を大切にしています。「m.i」のシャンプーやボディソープでも、上質感を感じて頂きたく透明な剤を目指しました。実は、透明な剤を開発するのって案外難しいんです(笑)。そして、自分自身初チャレンジのボディソープ開発でしたが、石けん系のボディソープより泡立ちを感じたという評価をもらえた時は、感動と共になんとか達成できたという安堵の気持ちでいっぱいでした。「m.i」でのバスタイムのひと時、上質感を実感頂けたら嬉しいですね」
そして、ついに「m.i」は完成したのです。
第4章 日々の変化と向き合う“私”を大切にしたい、と願う全ての女性たちに寄り添いたい。
本日発売の「m.i」。山本さんに率直な感想をお伺いしました。
「やっとここまできた!の一言に尽きます。メディカル事業部としても会社としても前例のない新しい試みでしたから、立ち上げ当初から苦労の連続でした。発売前には、実際に産婦人科のスタッフの皆さんや妊産婦の皆さんに試用頂いたのですが、“こんな商品が欲しかった”、“「m.i」のおかげで髪の調子がよくなった”、“リピートしたいです”などの多くの言葉を頂きました。諦めずやってきてよかったという気持ちでいっぱいです」
まもなく、産休に入る山本さんにこれからの「m.i」について語ってもらいました。
「妊産婦さんを始めとする、日々の身体の変化と向き合うデリケートな女性にとって特別な存在となるブランドにしていきたいですね。女性に寄り添い理解してくれるブランド。そんな風に愛されるブランドにすることが夢です。そのために、今後はファンミーティングや座談会を開催したりと、ターゲットとなる女性との交流を通じた企画立案・製品開発をしていきたいです。メーカー対消費者ではなく、人と人とのつながりから「m.i」ブランドを成長させていきたいです。」